ぶらりエンジニア

エンジニアリング・デザイン備忘録

HHKB BT導入

かたっ苦しいので今日から敬語やめます。

 

前々から使ってみたかった、Happy Hacking Keyboard Bluetooth版を購入。

年末年始を挟んでやっと家に届いたので、本記事も嬉々としてHHKBで打っている。

うーん、この打鍵感、たしかに唯一無二。オノマトペでよくスコスコと表現されているがまさにそんな感じ。楽しい。

 

そして使い辛い。

  1. 例えば矢印キーとか通常はあって当たり前なキーさえ、本機ではファンクションとの組み合わせにされている。こいつがまた思考を停止させてくれる。文の切り貼りのための選択作業にさえ「Fn+Shift+矢印」の3キー必要ってヤバない? 指がめっちゃ迷子になる。なった。先輩方は「慣れれば問題ない、むしろホームポジションを崩さずに矢印に指が届くのサイコー」と仰っているのでまぁ本当に慣れの問題なんだろうが。
    でもこれ、HKKBユーザーがよく言う「HHKBに慣れたら他のキーボード使えない問題」を端的に表してると思う。そりゃあこういった「縛り」を体に叩き込んだら他使えんわ。大リーグボール養成ギプスが気持ち良くなっちゃった!てなもんだ。

  2. MacBook Proと組み合わせて使うんで、やっぱ尊師スタイルっしょ!と本体に載せて使っている。karabiner-Elementsは導入済みなので本体キーボードとの干渉は無し。ガシガシ打っていける。いやー、画面とキーボードが近いと没入感がまるで違う。イイ。イイよーこれ。
    そして気付いた。そのまんまHHKB乗っけただけだと、指を置く位置に対して手首を置く位置が低過ぎてまぁ辛い。すごく無理掛かってる体勢。HHKBの厚みの問題か。とりあえずの応急処置として、デスクトップ用に使ってるKensingtonのながーいアームレストを手前に乗せてみた。これが案外しっくり来たよね。手首つらい問題は無事解決された。……うん。
    パームレスト前提じゃねーかこれ。タイピング速度アップ&疲れにくい効用のためにHHKBを導入すると聞くのに、尊師スタイルした途端、手首へのポアが始まるのはいかんでしょ。先輩方の尊師風景を見るとほっとんどパームレスト使ってない様子。すごいな。辛くないんすかそれ。
    つー訳で上記を以て、外で尊師になりたかったらパームレスト必携だよ☆、ということが俺の中で確定した。重い…かさばる…つら…。

  3. う、うるせぇ! 打鍵音うるせぇ! 静電容量無接点方式は今回初めて使うけど、実店舗で有線タイプの試打してきたけど、でもうるせぇ! 静かなところで使うとよく分かる五月蝿さ! 興が乗ってバチバチ打ち出したらまずいですよこれは。いよいよもって外に持ち出し辛い。分解して静音リング填めようかな…。本当に持ち出しのことを考えると必須な気がしてきた。

 

以上3点! めっちゃ文句言うてはりますが、上記問題は全て下調べ済の承知済。分かって買ってます。(実感としての衝撃の度合いはあるけど)

そして、こんだけボロクソ言っておいてなんだけど、いやボロクソ言ってるからこそ、

これら難点を補って余りある美点が、HHKBにはある。

 

上のブワーって書かれてる文章、まだHHKBの仕様に慣れ切っていないにも関わらず、

一気に書き切れたという実感がある。なんていうか脳と指の間に引っ掛かりが無かった。それどころか、頭の中の文章化し切れていないモダモダを引き出す手伝いをしてくれた感覚さえあった。これは取りも直さず、HHKBが出力ツールとして大変優れていることの証明に他ならない。

 

小説家がたまに「キャラクター達が作者の意図を超えた動きをしだして困っている」なんて話をする。創作物が不思議な自我を得た瞬間だ。

HHKBを打っている時の感覚はそれに近いのだ。カタカタ打っているうちにどんどん次が出てくる。頭の中では明確な文章ではない。なのにどんどん打てる。タイピングが促進されるというのか。頭の泉から指先へどんどん溢れ出してくるのだ。いやそこまで思ってないよ!?てなことまで勝手に指が打ち出す。

高揚感、と言ってもいいだろう。これは実際に買って設定や仕様に苦心して、いざ自分の指で打ち出してみないと分からないと思う。明文化・定量化できるようなモノではない。そんな安易なプレゼンは出来ない。沼にハマってしまった先輩方の気持ちがよく分かった。

……HHKBに限らないのかな。この価格帯のキーボードってこういう「体験」を大事にしてるのかもしれない。他を知らないから全然偉そうなことは言えないが。

 

ちょっと熱が冷めて落ち着いてきた。辞め時が分からなくなる。なんだこのキーボード。

 

総評:間違いなく良い買い物をした。

万人にオススメ!なんて軽薄なことは決して言えない。高いし。取っ付きにくいのは間違いないし。

でもなんていうか、「タイピング速度を1.2倍に」とか明確な目的意識を持って買うよりも、「なんや面白そうやん」って買うほうがコイツにドハマリしちゃうと思う。そのまま沼っちゃうと思う。そんな不思議ツール。

 

楽しかった…。ここまで一気に書き切れた。

んで誤字脱字チェックだーってちょっと上のほう見返したら、コイツ矢印キーの件で「思考が停止する」とか言ってるのヤバない? この十数分でもう矛盾してっぞ。熱中して打ってるうちに矢印の仕様なんてもう慣れたわ。

そんなこんなで、ありがとうPFU。BT版の静音モデル待ってるよ。